大腿骨と脛骨の表面を包む軟骨組織がすり減った結果、痛みが起こる進行性の疾患です。進行すると膝の曲げ伸ばしがスムーズにできなくなり、痛みもひどくなってきます。またO脚やX脚になり、歩行能力が低下し日常生活に悪影響を及ぼします。主な原因は、加齢に伴う軟骨の消耗で、特に運動する習慣がほとんどない方は要注意です。他にも、肥満や膝への負担が大きいスポーツも原因になります。
変形性膝関節症とは
大腿骨と脛骨の表面を包む軟骨組織がすり減った結果、痛みが起こる進行性の疾患です。進行すると膝の曲げ伸ばしがスムーズにできなくなってきて正座が難しくなります。また、立ち上がり動作や階段の上り下りの動作で痛みを感じて、苦痛に感じる頻度が増えてきます。さらに進行してくるとO脚やX脚になり、歩行能力が低下し日常生活動作が困難になってきます。
変形性膝関節症の原因は
遺伝的な素因や肥満などで起こる場合もありますが、過去に靱帯損傷、半月板損傷、骨折などの怪我をしたことにより軟骨がすり減って発症する場合もあり人によって様々です。
変形性膝関節症の診断方法
診断には患者さんの病歴・年齢・診察所見・画像検査などの情報で判断していきます。画像検査はレントゲン撮影が一般的で軟骨のすり減りの程度や関節の変形の程度を評価していきます。変形性膝関節症の場合、軟骨の摩耗の程度や、骨棘(こつきょく)と言って本来は骨がない場所に骨ができてくるなどの所見があります。
レントゲンで評価が難しい場合や別の疾患との判断が難しい場合はMRIによる検査で、軟骨・半月板・靱帯などの評価を行う場合もあります。
変形性膝関節症の治療方法
治療は軟骨のすり減りの程度、骨の変形の程度、患者さんの年齢や生活のレベルを総合的に判断して決定していきます。
基本的には軟骨が残存している患者さんは保存的加療(手術以外の方法)の適応になります。保存的治療に効果がない、変形の程度が強い方は手術の適応になる場合があります。
保存的治療
- 投薬
- リハビリ
- ヒアルロン酸の注射
- 足底板(靴の中の中敷き)
などが有効な治療方法となってきます。保存的治療に効果を認めない方は手術加療の適応となります。
手術加療
- 高位脛骨骨切り術
変形の程度が軽く、スポーツ活動、正座などが必要な生活様式の患者さんに適応があります。 - 人工膝関節置換術
変形の程度が強く、O脚やX脚が進み、生活動作自体が困難になってきた患者さんに適応があります。