変形性膝関節症

変形性膝関節症とは

変形性膝関節症は、大腿骨と脛骨を覆う軟骨がすり減ることにより、膝関節に痛みを引き起こす進行性の疾患です。初期段階では、膝を動かすときに違和感や軽い痛みが感じられることが多いですが、症状が進行すると、膝の曲げ伸ばしがスムーズにできなくなり、痛みが強くなることがあります。進行した状態では、正座が難しくなったり、立ち上がり動作や階段の上り下りで痛みが強くなり、日常生活に支障をきたします。

膝の関節の変形が進行すると、O脚やX脚になることがあり、歩行が困難になるとともに、生活動作に大きな影響を与えます。特に進行した段階では、膝関節の変形が顕著になり、歩行時に痛みを感じることが増えます。

変形性膝関節症の原因は

変形性膝関節症の主な原因は、加齢に伴う軟骨の消耗です。しかし、それだけではなく、以下の要因が関与することもあります。

  • 過去の怪我や外傷:膝を支える靭帯や半月板の損傷、骨折などが原因で、膝関節に負担がかかり、軟骨が摩耗することがあります。
  • 肥満:過剰な体重が膝にかかる負担を増加させ、軟骨のすり減りを早める原因となります。
  • 膝への負担が大きいスポーツ:ランニングやバスケットボールなど、膝に強い衝撃が加わるスポーツも、膝関節に負担をかけるため、変形性膝関節症を引き起こす可能性があります。
  • 遺伝的要因:家族に変形性膝関節症の人が多い場合、遺伝的要因が関係していることもあります。

変形性膝関節症の診断方法

変形性膝関節症の診断は、患者さんの病歴、年齢、診察所見、画像検査などを総合的に判断して行います。

レントゲン検査

膝関節の変形や軟骨の摩耗、骨棘(こつきょく)などを評価するために、レントゲンが一般的に使用されます。これにより、膝関節の状態を確認することができます。KLグレード(Kellgren-Lawrence grading scale)を使用して、膝関節症の進行度を評価します。KLグレードは、膝のX線写真を基に、0から4までの5段階で関節の変形の程度を示します。KLグレードが高いほど、膝関節の変形が進行しており、痛みが強くなる傾向があります。

  • KLグレード0:正常
  • KLグレード1:軽度の軟骨の摩耗や骨棘が現れる
  • KLグレード2:軽度から中等度の軟骨の摩耗や骨棘が増加
  • KLグレード3:中等度から重度の軟骨の摩耗、関節の不整合
  • KLグレード4:重度の軟骨の摩耗、関節の変形や機能制限が著しい

出典:https://journals.sagepub.com/
doi/10.1177/22104917221082315

MRI検査

レントゲンでの評価が難しい場合や、膝関節以外の問題(半月板損傷、靭帯の損傷など)が考えられる場合、MRIを使用して軟骨や靭帯、半月板の状態を確認します。

診断が確定した後、患者さんの症状の進行具合に応じて、治療方針が決定されます。

変形性膝関節症の治療方法

治療方法は、膝関節の軟骨のすり減りや骨の変形の程度、患者さんの年齢、生活習慣を考慮して決定されます。
基本的には、初期段階であれば保存的治療(手術を伴わない治療)を行いますが、進行した場合には手術が必要となることもあります。

保存的治療

  • 投薬:痛みを軽減するために、消炎鎮痛薬や、軟骨の修復を促進する薬が使用されます。
  • リハビリテーション:膝周囲の筋肉を強化し、膝への負担を減らすことが重要です。理学療法士による運動療法(ストレッチや筋力トレーニング)が行われます。
  • ヒアルロン酸注射:関節内にヒアルロン酸を注入することで、関節の潤滑を助け、痛みを軽減します。
  • 足底板(インソール):膝にかかる負担を軽減するために、専用のインソールを使うことがあります。

手術加療

  • 高位脛骨骨切り術:
    膝関節の変形が軽度で、スポーツ活動や正座が必要な患者さんに適応されることがあります。膝の骨を一部切除して、変形を修正します。
  • 人工膝関節置換術:
    膝の変形が進行し、日常生活動作が困難になる前に、人工膝関節を入れる手術です。関節が完全にすり減り、痛みや可動域制限がひどい場合に適応されます。

変形性膝関節症の予防と管理

変形性膝関節症を予防するためには、日常生活で膝に負担をかけないよう心がけることが重要です。特に、膝に過度な負荷をかけないよう、体重管理を行うことが大切です。定期的な運動や、膝の筋肉を強化することも予防に繋がります。また、膝に不調を感じた場合は早期に適切な対応をすることが、進行を遅らせるために重要です。

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