膝の痛みとは

膝の痛みは多くの方が経験する症状ですが、その症状や原因は非常に多様で一人ひとり異なります。例えば、「平坦な道を歩くと膝が痛くなる」「階段の昇り降りで痛みが出る」「膝の内側や裏側が痛む」「寝ている時に膝に痛みを感じる」など、痛みの種類や発症するタイミングも様々です。このように、膝の痛みは一律ではなく各患者さんの状態により異なるため、しっかりと症状を把握し、原因を見極めることが大切です。
膝関節痛は、外傷や過度の使用によるものから、関節の変性、さらには免疫系や代謝に関わる疾患まで、多くの疾患によって引き起こされます。特に変形性膝関節症は、膝関節の痛みの主な原因の一つであり、加齢とともに関節の軟骨が摩耗し、骨同士が擦れ合うことから痛みが発生します。この疾患は特に年齢を重ねた人々に多く見られますが、過剰な負担や過去のケガが原因となることもあります。また、リウマチ性疾患や代謝性疾患(痛風や高尿酸血症など)は、膝関節にも炎症を引き起こし、痛みをもたらすことがあります。
膝の痛みを引き起こす他の要因としては、膝関節周りの筋肉や靭帯の損傷や炎症も考えられます。膝の動きを支える筋肉や靭帯が弱ったり損傷したりすると、関節への負担が増大し痛みが発生することがあります。膝は体重を支える重要な関節であるため、日常的に強い負荷を受けやすい部位でもあります。これにより、膝の関節に問題が生じた際には、痛みが感じられるようになります。
膝関節の痛みが長引くことで、歩行が困難になったり、寝たきり状態になることもあります。進行性の膝関節痛は、患者さんの生活の質を大きく低下させる可能性があるため、早期に適切な対応を取ることが非常に重要です。膝関節の痛みは軽視せず、どのような症状でも放置しないことが大切です。
膝痛が引き起こされる原因や疾患には、患者さんそれぞれ異なる要因があるため、正確な診断が必要です。痛みが続く場合は、膝関節を支える筋肉や靭帯、さらには関節そのものにどのような影響があるのかを調べることが求められます。痛みのタイプや発症の背景に応じて、適切な対処を行うことが膝痛の予防や改善に繋がります。
「膝関節痛=膝だけが悪い」とは限りません
人は立ったり歩いたりする生活を送る中で、膝だけでなく、腰や骨盤、足関節などの全ての部位に負荷がかかります。そして、その状態で、約3kgの頭を1日10時間以上、常に支え続けています。これを考えると、「膝関節痛=膝だけに原因がある」とは限らないことがわかります。
実際に、膝痛の原因は膝だけにとどまらないことが多いです。姿勢の変化によって関節への負荷が高くなり、その結果、「筋緊張(筋肉の収縮)」や「不均等な筋肉の使い方」が生じることがあります。これが膝痛やしびれを引き起こすケースは少なくありません。
また、膝痛がある方は、膝周りの筋肉が収縮し、緊張し続けていることがよくあります。このような状態では血行が滞り、痛みが発生することもあります。筋肉の緊張をほぐし、「痛みがない状態」、つまり筋肉がリラックスした状態を保つことで、痛みが軽減することがよくあります。
当院では、膝関節痛を「膝だけの問題」として治療を進めることはありません。膝の痛みがどのように始まったのか、その背景を丁寧に伺います。もちろん、膝だけでなく、腰や脚の関節、足の裏などの状態も確認します。また、診察時の姿勢も重要なチェックポイントとして確認し、患者さんの全体的な状態を把握します。
膝だけで起こる疾患なのか、それとも膝をかばい続けた結果、二次的な痛みが生じているのか、または他の原因が隠れていないかをしっかりと見極めます。そして、わかりやすい言葉で説明し、ご納得いただいたうえで治療方針を提案いたします。治療方針にご納得いただけるまで、何度でも説明を行い、ご質問にお答えします。初診の方にはお時間を長めに取って、丁寧な診察を心がけています。
膝関節痛を根治させるのは難しいのか
当院にお越しいただく患者様の中には、「他院で治療を受けていたけど治らない」とお悩みの方も少なくありません。詳しくお話を伺うと、「整骨院での施術は一時的に楽になったが、翌日には再び痛みが戻ってしまう」「整形外科で電気治療を受けたが、薬や湿布をもらっても改善しない」といった声が多く聞かれます。このように、治療を受けても膝の痛みが改善しないことで、悩んでいる方が少なくありません。
膝の痛みは、膝関節そのものだけが原因とは限りません。実は、膝痛の背後には、姿勢や筋力などのバランスの乱れが関わっていることが多いです。例えば、腰や骨盤、足関節などの部位が正しく機能していないと、膝に過度な負担がかかり、痛みが続くことがあります。そのため、膝関節を中心とした治療だけでは、症状が改善しない場合があります。
当院では、膝関節だけでなく、リハビリを通じて体全体のバランスを見直し、膝以外の原因にもアプローチしています。姿勢の改善や、周囲の筋肉をほぐすことで、膝への負担を軽減し、痛みの軽減を図ります。患者様一人ひとりの状態に合わせたアプローチを行うことで、より効果的な治療が可能となります。
膝の痛みが「根治しない」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、膝だけに目を向けるのではなく、全身のバランスや他の部位の状態も含めて治療を行うことで、膝関節痛は改善することがあります。原因をしっかりと見極め、その原因に合ったアプローチを続けることが、膝痛を根治させるための鍵となります。