早期変形性膝関節症:レントゲンで「軽い」と言われても、膝の痛みが続く理由
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こんにちは。副院長の渡部です。今後、「早期変形性膝関節症」について少しずつ触れていく機会を設けたいと思っています。
「レントゲンではそれほど悪くないですね、と言われた」
「年齢のせいと言われたけど、膝の痛みがなかなか良くならない」
このようなお悩みをお持ちの方は、早期変形性膝関節症の可能性があります。
変形性膝関節症は、進行した状態だけでなく、初期・早期の段階から痛みが出ることがある病気です。
早期変形性膝関節症とは?
変形性膝関節症の進行度は、KL(ケルグレン・ローレンス)分類という指標で評価されます。
・ KL分類グレード1:わずかな変化が疑われる段階
・ KL分類グレード2:軽い骨の変化はあるが、関節のすき間はまだ保たれている段階
このKL分類のグレード1〜2が「早期変形性膝関節症」にあたります。この段階では、レントゲンの見た目が軽くても、痛みが強く出ることがあります。
レントゲンで異常が少ないのに、なぜ膝が痛いの?
レントゲン検査で分かるのは、主に骨の変化です。しかし、膝の痛みは骨だけが原因とは限りません。
早期変形性膝関節症では、次のようなレントゲンでは分からない異常が関係していることがあります。
・ 半月板のすり減りや小さな傷
・ 軟骨の表面のダメージ
・ 骨の内部に起こる炎症(骨髄浮腫)
・ 関節の中の炎症(滑膜炎)
これらはMRI検査で初めて確認できることが多く、痛みの原因を考えるうえでとても重要です。
実際に、骨の中の炎症(骨髄浮腫)は、膝の痛みと強く関係すると報告されています。
早期変形性膝関節症ではMRI検査が役立つことがあります
「レントゲンでは原因がはっきりしない」
「安静にしても痛みが続く」
このような場合、MRIを行うことで、今どこに負担がかかっているのかをより正確に把握できます。
当院では、症状と画像所見を丁寧に照らし合わせ、必要に応じてMRI検査をご提案しています。
早期変形性膝関節症の治療方法
① 関節注射(ヒアルロン酸など)
膝の中の環境を整え、痛みを和らげる目的で行います。早期の段階では、日常生活の痛みを抑える効果が期待できます。
近年注目されているPRP注射などの再生医療についても、 研究結果が世界的に報告されていますが、症状や状態に応じた判断が大切です。
② リハビリ(運動療法)
早期変形性膝関節症で最も重要な治療がリハビリです。
・ 太ももや股関節まわりの筋力を高める
・ 歩き方や立ち上がり動作を見直す
・ 膝に負担がかかりにくい体の使い方を身につける
これらを行うことで、痛みの軽減だけでなく、進行を遅らせる効果も期待できます。
③ 骨切り術(状態によって検討)
膝の内側に強く負担がかかっている場合には、骨切り術という手術が選択肢になることもあります。
比較的早い段階で行うことで、人工関節を回避できる可能性がありますが、すべての方に必要な治療ではありません。
まとめ:「早期」だからこそできることがあります
早期変形性膝関節症は、
・ レントゲンでは軽く見えることが多い
・ MRIで痛みの原因が見つかることがある
・ 注射やリハビリで改善が期待できる
・ 状態によっては手術を検討することもある
という特徴があります。
「まだ初期だから」と我慢するのではなく、今の膝の状態を正しく知り、適切な治療を受けることが大切です。
膝の痛みでお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
東京整形外科ひざ・こかんせつクリニックは、
ひざ・股関節でお困りの方が、再び自分らしい生活を取り戻すためのパートナーでありたいと考えています。
当院では、レントゲンだけで判断せず、丁寧な診察とリハビリ評価を通じて、痛みの根本にアプローチしています。
「原因がわからない」「どこに行っても改善しない」と感じている方も、どうぞ一度ご相談ください。
渡部直人 専門分野 膝・股関節・骨粗鬆症

日本整形外科学会専門医、日本骨粗鬆症学会認定医、医学博士
ひざや股関節が痛くて来院された方が診察と検査を通じて痛みの原因を特定し、正しい治療を経て痛くないひざ、股関節を取り戻す手助けをさせていただきたいと思っています。